今回は、最近のGTD®公開セミナーや企業研修でいただいたコメントを、いくつか手短に紹介します。
- 書き始めると、どんどん出てくる。
セミナーでは、頭の中にある「気になること」をすべて書き出す「マインド・スイープ」の練習をします。参加者の皆さんのほとんどが、「気になることってそんなにある?」という感じで取りかかるのですが、書き始めるとなかなかペンが止まりません。本当は止めたくないのですが、セミナーでは時間に限りもあるので、時間切れにせざるを得ません。
私たちは思っている以上に頭の中で気になっていることに意識が向いていて、考えるエネルギーを取られています(その状態を「オープンループ」と言います)。「マインド・スイープ」は一旦すべてを書き出すことで、ほかのことを考える余裕が生まれるのを実感してもらえる瞬間です。
- アイデアより、やらなければいけないと思うことを書いてしまう。
アイデアは、欲しい時にはなかなか浮かばないものです。セミナー中、何かアイデアなどを思いついたら書くという場面で、「アイデアどころか、やらなければならないと思うことでいっぱいです…」というコメントをよくいただきます。まったく問題ありません。まずは、やらなければいけないと思っていることを出しつくしてください。
その後に、何か漠然としたアイデアなどが出てくることもありますし、あまり肩肘張らずに気軽に書き出すことを続けていると、思いがけない時にアイデアが出てくることもあります。重要なのは、その時にアイデアを書き出せるメモやツールが手元にあることです。また、「週次レビュー」の11項目を愚直にやると、最後に力が湧いてきてアイデアが出てきます。
- 「仕分ける」より先にやった方が早い。
GTDには、「これは何か?」「次に取るべき行動は何か?」といった問いにより行動を明確にする、「仕分ける」というステップがあります。
「仕分ける」よりも取りかかった方が早いというコメントには、そのとおりとも言えます。ただし、取りかかって実際の処理をしながらも、実は意識していないだけで、「仕分ける」ことをしているものです。「仕分ける」ことに集中する方が質も効率も上がります。コメントをいただいた方も、「そうなんですよね、分かっているんですが…」という反応でした。
やってみると分かることが多い、これもGTD®の特徴ですね。ご参加いただいた皆さま、実践がんばってください。