GTD®レポート

桜の季節、新たなスタートに向けて

多くの企業が4月から新年度スタート。入学式や新入社員としてのスタートなど、いろいろな人が新たな生活にチャレンジする時期ですね。

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新たなスタートを順調に進めるために、GTD®公開セミナーや企業研修で、よく質問をいただく「プロジェクト」について少し触れてみたいと思います。

前提となることをお伝えします。

GTDの5つのステップでは、まず、気になっていることや新たに発生した案件などをすべて集め、把握します。次に、集めたものを「行動するか?」、行動できるとしたら「次にとるべき行動は何か?」と仕分けます。そして、複数の行動が必要なものについては「プロジェクト」とし、「望んでいる結果は何か?」を明確にしておきます。

この「プロジェクト」についてのよくある質問が、「『望んでいる結果』に至るまでの行動を、全部洗い出しておく必要はないのか?」というものです。例を使って考えてみましょう。

例えば、気になることとして「ゴールデンウィークの旅行」があったとします。
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ゴールデンウィークの旅行について考えるとなると、自分と家族のスケジュールを調べる、行き先候補を調べる、銀行口座の残高を確認して予算繰りを立てるなど、いずれにしても何らかの行動は必要になりそうですね。しかも、1つの行動だけでは終わらないので、「プロジェクト」になるわけです。

「望んでいる結果」は「旅行に行って帰ってくる」という設定もできますが、シンプルに「旅行の行き先を決める」とします。(「望んでいる結果」については「要するに何をしたいのか?」と、置き換えてもらってもいいでしょう。いろいろ疑問が出てくるかもしれませんが、そのあたりのさらに詳しい内容はセミナーで)

ここで、前述の質問を言い換えると、「『旅行の行き先を決める』までの行動を、全部洗い出しておく必要はないのか?」となりますが、ーー答えは「ノー」です。まずは「次に取るべき行動」と「望んでいる結果」を明確にしておけば十分です。

「次に取るべき行動」と「望んでいる結果」の2点だけを明確にしておけば良い理由を、ここでは2つだけ挙げておきます。

1つは、最初の「次に取るべき行動」をしてみたら状況が変わるかもしれないということ。例えば、候補先を調べてみたらゴールデンウィーク価格で資金繰りが必要になるかもしれませんし、今まで気にしていなかったリゾートが目に入り、さらにいろいろ調べてみる必要が出てくるということもあるかもしれません。
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2つめは、1つめのことにも関連しますが、あまりガチガチに「道のり」を決めておいても、変更になったらメンテナンスが大変になるということです。人によっても変わりますが、「プロジェクト」が50個くらいのリストになっていてもまったく問題ありませんし、もっと多くても普通です。ゴールデンウィークの旅行だけを四六時中考えるわけではありませんので、「次に取るべき行動」が明確になっていて、要は何をしたいのかの「望んでいる結果」がリストとして並んでいる方が実践的でメンテナンスも楽です。
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重要なのは、刻々と変わる状況に合わせてレビューができているかどうかです。「道のり」をガチガチに作ることにエネルギーをかけて、それはそれで達成感はあるかもしれませんが、作った時点から修正が必要になる場合があるのも現実です。
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要は何をしたいのかを「望んでいる結果」として簡単なリストにすること、「次に取るべき行動」はより具体的で目に見えるような行動に落とし込んでおくこと。この2つを気軽にレビューすること。これだけで、ものごとが随分はかどると思います。

「プロジェクト」に関してはセミナーでほかにも質問をいただいたり、アドバイスを差し上げていますが、まずは上記の点を実践してみてください。